徒然草 現代ver ー秩序のない現代にドロップキックー

現代社会に対する、筆者独自の考え方を紹介しております。一人でも多くの人のこころが豊かになりますように。。

スマイル

筆者はそれほど音楽は聴かない人間なのだが、最近よく聞く曲がある。

森七菜の「スマイル」という曲である。

 

しかし実はこの曲、森七菜の曲ではなく、ホフディランというアーティストのカバー曲だったのだ。

 

もともとこの歌は、ホフディランが1996年にリリースし、アニメ「こち亀」の初期のエンディング曲として使われていたのだ。

 

その曲が時を越え、2020年に森七菜によってカバーされたのだ。

 

スマイルの歌詞に以下のようなものがある。

 

もうすぐだね あと少しだね
その時の笑顔がすべてをチャラにするさ
もうすぐだね 長かったね
はやくスマイルの彼女をみせたい

 

コロナ渦にあり、活気が失われた日本にエールを送るような気がしてならない。このタイミングでこの歌を発掘し、森七菜にカバーさせた人物は天才かと思う。いや、もしかすると森七菜自身がスマイルのカバーを志願したのだとしたら、すごすぎて、筆者は頭が上がらない。精一杯称賛してやりたい。森七菜の頭をぺろぺろ撫でてやりたい。

 

 

本題に入る。

 

私がこの歌を好きになったのには理由がある。

 

スマイルには、SNSなどでの誹謗中傷に対するあるメッセージが込められているのではないか

 

と感じたのである。

 

私はテレビやドラマ、音楽などの作品を鑑賞する際に意識していることがある。

この作品に込められた意図は何か。

を考えることである。

 

クリエイターは作品を通して、私たちに何らかの主張をしている。(と筆者は信じている)

 

「ただ売れたい」「こんな感じの曲なら感動するでしょ」的なノリで作られた、何のメッセージ性もない作品は、クソである。

 

そんな筆者であるが、最初にスマイルを聞いた時は、あまりいい印象を受けなかった。なぜなら、

いつでもスマイルしようね

という歌詞が気に食わなかったからである。

 

この歌のメッセージは、

つらいことがあっても笑顔でいれば、いつかいいことが起きるよ!

的な感じに思われたのだ。

 

しかし筆者は、

つらいことや苦しいことがあったら、我慢しないほうがいい。泣きたいときは泣けばいい。

という考えをもっているため、上記の主張には反対である。

我慢しすぎるとうつ病にもなりかねないし、第一、他人の苦しみなんてわかるわけがないんだから、どうしても笑顔を作れない人に対して、これはあまりにも無責任な主張なのではないかと思ったのである。

 

しかし、改めて考えてみると、メッセージの取り違えをしていたのではないか、と私は感じた。

 

確かに先ほどの考えは、一般的にとらえた場合の、普通の解釈である。

だが、スマイルの終盤の歌詞が、先ほどの解釈を改めさせ、冒頭で申し上げたように、ネットでの誹謗中傷に対する主張に昇華させたのだ。

 

それは以下の歌詞である。

 

かわいくスマイルしててね
人間なんかそれほどキレイじゃないから
すぐスマイルするべきだ 子供じゃないならね

 

その通りなのである。

人間なんかそれほどキレイじゃないから、ありのままの表情を出していてはダメなのだ。

 

これは別に「嘘をつけ」といっているのではなく、

 

思ったことをそのまま口に出すのはやめるべきだ

また、

少々の怒りや不満は水に流してやるべきだ

 

ということである。

 

SNS上で誹謗中傷をする人の動機はいろいろと考えられる。

・単に、有名人に意地悪をしてやりたい

・自分の存在を認めさせたい

とかがあるが、上の2つはもう論外なのでいい。

 

今回考えるのは、

純粋に自分が感じた批判を投稿する行為

である。

 

 

有名人の不倫騒動で

「奥さんや子供の気持ちを考えろ」とか「テレビや映画、CMなどを降板し、関係者に大きな迷惑がかかってるんだぞ」みたいなやつ。

 

あとは、迷惑ユーチューバーに対して

「社会の迷惑だ」「親はなにをしてるのか」

「こいつの動画を面白がってみてるやつも同罪だ」とかである。

 

確かにどれも正論ではある。

だが、これらの発言に対して、筆者はこう思った。

 

それ、言う必要ある?

 

これらの発言をした者の中で、実被害を被った者はどれだけいるだろうか。自分が痛みを味わったから、加害者にそれを伝えてやるのならまだしも、はたから出来事を見て、被害者を自分に置き換え、そして悲しみや苦しみ、加害者への恨みを勝手に想像してネット上に発信する。気持ち悪いと思う。外野は黙れ。

 

ただ、こういった行為をする人間というのは、もともと、自分の感情をすぐに表に出す人物なのだと思う。それがたまたま、スマホをもち、SNSで発信できる環境にいただけなのだと思う。

 

つまり、上記の批判を減らすには、SNSの使い方云々の前に、人として直すべき点があり、それがスマイルの歌詞に込められたことなのではないか、と筆者は考えた。

 

「人間の考えることなんか必ずしもキレイだとは限らないんだから、本能のままに表現するんじゃなくて、心の中で一度吟味してから表に出そうね。」

 

周りの人間に対して少しでも不平不満があると、烈火のごとく怒り始める人。

何気ない発言ですぐに人を傷つけちゃう人。

 

そういう人はぜひこの曲を聴いて、自分の性格を見つめなおしてほしい

なんでも言えば解決するわけじゃないよ。

必要ない批判なら自分の中にとどめて、

 

すぐスマイルしようね。

 

 

 

子供じゃないならね。